何があっても、なんて、この子に何かが起きること前提みたいで嫌だ。


「そうだな」


「うん」


「何があってもは、考えないことにしよう。この子が、美結のお腹で元気に育ってくれればそれでいい」


「うん」


子供が出来たことを愛人が喜んでくれたことに安心したのか、なんだか急に眠くなってきた。


「美結、眠い?」


コクンと頷くと、愛人が私の隣に横になって腕枕をしてくれた。


「ゆっくりおやすみ」


「眠るまで隣にいてくれる?」


「ああ」


ポンポンと頭をなでられて、自然と瞼が閉じていく。


赤ちゃん、あなたの成長と一緒に、私たちもパパとママになれるように頑張るからね。


あなたが生まれてくるの、楽しみに待っているからね。


眠る直前、お腹に手を置くと、その手にそっと愛人の手が重なった。