秘密な花嫁~旦那様は同い年~番外編

握った手をお腹に持っていく。


「ここにいるの、マー君。赤ちゃん、ちゃんと生きてるの」


「分かってるけど……」


愛人の手が、お腹から離れていく。


「ここに置いて」


離れていった手をもう一度お腹に置いて、愛人の手に自分の手を重ねた。


「私はね、マー君」


「うん」


「たとえ、愛人の病気が遺伝していても、他の病気を持っていても、障害があっても、この子を育てていく。ううん。この子と一緒に生きていく覚悟は出来てるよ」


「美結」


愛人の目が、大きく見開かれる。


「だって、なんの障害もなく健康に生まれてくることの方が奇跡でしょ?」


「そう、なのかな?」


「そうだよ」


愛人に向かって笑顔を見せる。