「ちょっと片付けてくるから。そしたら、話聞いて?」


私を抱き上げベッドに寝かせた愛人は、そう言って寝室を出ていった。


ベッドに横になって目をつぶる。


涙が、頬を伝った。


「ごめんね、赤ちゃん」


お腹をなでながら、赤ちゃんに謝る。


パパになる人が、あんなこと言ってごめんね。


でもママは、どんなことがあっても、あなたを生んであげるからね。


「美結」


どれくらい泣いていたか分からないけど、キッチンを片付けてきた愛人が寝室に戻ってきて、ベッドに座った。


「泣かせて、ごめん」


頬に伝った涙を、愛人がそっと拭う。


「どうしてそんなこと言ったの?」


「ごめん、美結」


「ごめんじゃ分かんないよ」