私も何も言えないまま、時間だけが過ぎていく。


お互い黙ったまましばらくたち、着替え終わった愛人がベッドに座った。


「ごめん、美結」


それからそっと、私を抱きしめた。


「マー君?ごめんって?」


意味が分からなくて聞き返す。


「ごめん、美結。子供は、諦めて欲しい」


「えっ?」


一瞬、耳がおかしくなったのかと思った。


イマナンテイッタノ?


子供は、諦めて欲しい?


「マー君……どうして?」


涙が溢れてくる。


「どうして!」


思いっきり愛人の胸を押して、愛人の胸から逃れる。