秘密な花嫁~旦那様は同い年~番外編

「ご自宅でよろしいですか?」


「ああ。頼む」


ニックさんが車のドアを開けてくれる。


「美結」


愛人が私の手を取って、車に乗せてくれる。


そのまま愛人も乗り込むと、静かな音を立ててドアが閉まった。


「ニックさんって、なんだか若い感じがするね」


「そうだな。でも、俺の父さんとほぼ同じ年だけど」


「そうなんだ」


細身のスーツを着こなし、少し青みががった瞳と、栗色の髪が印象的。


「あっ、そうだ美結」


「ん?」


車が発進したのと同時に、愛人が話し出す。


「家のベッドとか冷蔵庫とか、とりあえず必要なものは用意してもう配置しておいた。気に入らなかったら、またやり直そう」


「食器洗浄機は?」