SHR(ショートホームルーム)も終わり、これからは
放課後活動に入る。部活のある生徒はそのまま部活へ行き、部活に
入っていない生徒は大概皆帰る。もちろん図書室に行って暇を潰すという人もいる。
まだ賢志も大暉も部活には入っていない。どこかに入ろうとは考えているが。
大暉は運動上手で、体育の教科担任からもそれを認められているので、
教科担任から「陸上部に入らないか?」と言われたこともある。
だが大暉は明確な回答を示さなかった。自分自身まだ決心してないからである。
賢志は学校を出て、自宅へと向かい始める。
朝学校へ登校し、日中は勉強をし、そして放課後活動がやってくる。
これが日常の学校生活である。
その頃。
時雨が学校の図書室で読書をしていた。時雨もまだ部活に
入っていなく、放課後は基本的に暇になる。誰かと話している時もあれば、
今のように図書室で時間を潰すこともある。
本を借りた後、時雨はもう一度学級へ戻る。
「時雨。まだ学校にいたのか」
話しかけてきたのは大暉だった。
時雨はてっきり大暉は賢志と帰ったと思っていた。どうやら大暉は
学校での用事を済ませていたらしい。
「うん!図書室に行ってたんだっ」
「ほぅそうか。面白い本でも見つけたか?」
その後も二人は会話をしていた。
先に時雨が学校を出て行き、その数十分後に大暉も帰路につく。
「やっと帰れる・・・」
その瞬間大暉は何かを感じ取った。
ハッキリとしたものではなかったが、自分にも分からない何かを
感じ取った。
「ん・・・?」
気のせいか、と思い大暉は無視した。
周りには人がいない。
だがその時大暉が感じた何か。今後大暉はその何かを知ることとなる。
そう遠くはない、ある日のことだった。
全てが始まり、そして終わりに向かい始めたのは・・・。
