そろそろ体育の授業が始まる時間だ。2クラス合同で行われるこの授業。そこまで珍しいという訳でもなく、他の学校でも当たり前であった。
俺たちは更衣室で着替えをしている。今日の授業は一体どんな
内容なのだろうか。
「相変わらずドタンバタンうるさいな」
そう言ったのは大暉であった。
その理由は、女子の更衣室が二階にあり、二階から大きい音が
聞こえてくるからである。話し声も聞こえてくる。聞こうとは
しなかったが。
「まだ二回しか授業してないじゃん」
「でもまぁ・・・仲が良いということにしておこう」
若干意味深な答えではあるが、賢志はそれを理解する。
二人は更衣室から出て行く。すると同時に出てきた時雨たちと会う。
「あ、そっか。男子と女子はメニューが違うから場所も違うのか」
「そゆこと!それじゃまたね!」
時雨たちは別の体育館へ小走りして向かっていった。
後に大暉が“気になるのか?”と問いかけたが、賢志は
“いいや”と答えた。
「男子の姿見られないもんねー・・・」
「確かに見てみたいって気はあるかなっ」
時雨と絵里がそんな会話をしていた。
今日男子は二時間あるうちの一時間目に走り高跳びを
することになった。俺は正直運動をするのが嫌だ。別に苦手とか
そういう訳じゃない。まぁでも良いか。同じ学級の男子と体育が
出来るんだし。
「んで、結局お前さんはどのくらいまで跳べたか?」
「んーと、125cmかな」
「何だ先に脱落していたのか!したら俺はもっと跳ぶぞ」
「どぉぞどぉぞ。記録を伸ばしちゃって下さい?」
賢志は笑いながらそう答えた。
大暉がこれから挑戦しようとしている高さは、140cm。
既にこの高さまで残っている人は数名しかいない。だが大暉は
その高さも跳んで見せた。最終的に二回引っ掛けて記録が止まった時の
高さは、148cmだった。
「きっと体育の先生に気に入られるね」
「対して頭良くないんだ。体育ぐらいは評定5を取りたいものだな」
彼等は教室へと戻った。
そしてSHRの時間に入る。それが終われば“放課後活動”だ。
