「おはよう二人とも!」

その時女子の声がした。二人は振り返った。
するとそこにはセーラー服のよく似合った女子高生が一人
笑顔で手を振っていた。

「おぅ、おはよう“時雨”!」



大暉はそう言葉を返した。
彼女の名前は「時雨(しぐれ」。彼等二人と同じ学級の人である。
時雨との出会いは入学式の日だった。賢志と大暉が話していたところに、
二人の女子が会話に入ってきた。その時に時雨と出会ったのである。


「今日も元気が良さそうだね」

「そう見える?毎日は楽しく過ごさなきゃね!」

「あぁ確かにそうだな。ま、取り敢えず教室へ向かおうぜ?二人とも」


まだ入学式が終わってから一週間と数日しか経過していない。
クラスメイトはまだ堅苦しい雰囲気を出している状態。
そして俺たちは教室の中へと入っていく。


「三人ともおはよー!」


彼女が入学式の時、時雨と一緒に話しかけてきた人である。
名を「絵里(えり)」という。時雨と絵里はまだ知りあったばかり
なのに、仲良く接している。



「あ、そうだ。時雨は平常講習受けるの?」

「んーそのつもりはないかな?絵里は?」

「私は受けるつもりだよー。勉強も沢山したいからね」



よくまぁ勉強しようという気になれるな。
猛烈に勉強したのは、恐らく高校受験の時だな。



この学校には平常講習というものが存在する。
説明しなくても分かるとは思うが、平日の一時間ほどを使って
放課後勉強をするためのものだ。進学校でない学校でも、大概講習会は
開いている。


朝の8時40分を知らせるチャイムが鳴り、担任が入ってくる。



これが学校の始まり。
教室に入り雑談をし、担任が来たと確認したら
すぐに席に座る。

そしてこれから、授業に突入していく。