「賢志ー!」
そう呼ぶ男の声が聞こえてきた。
「賢志(さとし)」
とても自然に囲まれている高校の一年生だ。
先日入学式を終えたばかりで、慣れない学級の中で生活をしている。
賢志を呼んだのは「大暉(だいき)」。賢志と同じ学級の男子高校生。
二人は中学校時代からの付き合いで、仲も良くお互いをいつも高めあっている。
まずは学校に登校する。
これが俺たちの生活の最初。
「今日は基礎力診断テストの結果が帰ってくるな!」
「そうだね。楽しみだよ」
「お前さんは良いよなー頭は良いし運動も出来るし。まぁ運動は俺の方が
上だと思うけどな」
「よく言うよ」
二人は高校の正門を通っていき、玄関へ入っていく。
この校舎は7年ほど前に建てられたばかり。それまでは今のこの場所
よりももっと奥にある古びた校舎を使っていた。
二人がロッカーに外靴を入れた時―
「おはよう二人とも!」
女子の声がした。