俺達が住んでいる所は学校の裏側にある住宅地で、すぐ近くが学区と学区の境のため、そこに住んでいる森川南中学校の生徒は俺と小梅以外にはいなかった。
部活をやっていた頃は、毎日夜まで練習で学校にいたので、部活に入っていない小梅とは帰宅時間が全然違った。
だから俺は小梅のことなど微塵も考えずに、一人黙々と帰路についていた。
しかし三年生になり、部活を引退すると、帰宅時間に大差がなくなり、度々校門付近で見かけることが多くなった。
家が隣同士なので、もちろん通る道は一緒。
離れて歩いてはいるが、お互いの存在を認識したまま無言で歩くのは、なんとも気まずいものだった。
