僕の忠犬ハチ公



「こ……」

「…嬉しい……私…嬉しいよ…真君……」

「…え?」

 諦めかけていた俺は、告げられた言葉に驚き、呆然とする。

 今鏡を見たら、ぽかんと口をあけ、俺はマヌケな顔をしていることだろう。

 嬉しい…小梅は今、嬉しいって言ったのか……?

 思いがけない言葉に俺の頭は混乱する。

 と、

 俯いている小梅から、鼻をすする音が聞こえてきた。

 俺が顔を覗きこむと、小梅の瞳からは大粒の涙が溢れていた。