僕の忠犬ハチ公



「う…うぅ……」

 自分が泣いていることに気付くと、涙がいっそう溢れ、鳴咽までもれてきた。

「…小梅…小梅……!」

 俺は小梅に抱きしめられ、ただひたすらに泣き続けた。

 小梅の名前を呼ぶごとに、自分が本当に求めていたものが、何だったのかを実感していく。

 どうして今まで気付かなかったんだろう。

 どうして今まで見失ってしまっていたのだろう。

 小梅はずっと俺のことを待っていてくれていたのに。

 俺は、自分のくだらないプライドと幻想のために傷つけた。

 本当に大切なものは、上辺だけの関係の友達なんかじゃない。

 学校という、一皮剥けばエゴイズムの社会で、地位を築くことでもない。

 こんなにも自分のことを、想ってくれている人がいる。

 本当に大切なものは、もうはじめから、自分のすぐ側にあったんだ……!