僕の忠犬ハチ公



「もう少しでこいつ意識とぶな。そしたらズボン脱がすから、いつもように携帯で写メ撮れよ」

「うん、わかった♪」

 舞達がこの行為を繰り返せる理由、それに伴い自分の身にふりかかる不幸を話しあう二人の声さえも遠くに聞こえ、俺は自分の意識が失われつつあることを感じた。

 瞼が重くなって、それから視界が霞んでくる、気絶する準備をすすめている体に抗うこともせず、俺は焦点をなくした目で、人事のように自分を見ていた。

 まだかろうじて人を認識できる瞳に、曲がり角から出てきた一人の少女の姿が写った。

 ……小、梅?

 あの切り揃えられたおかっぱ頭に俺の学校の制服、その少女は間違いなく小梅だった。

「見てんじゃねぇよ!!」

 俺の視線から小梅の存在に気付いた男は、鈴木達と同様に怒鳴り付けた。