僕の忠犬ハチ公



 やばい!ぼこられる!

 誰か助け……。

 不意に見知った話し声が聞こえてきた。

 こ、この声は……

 程なくして道の曲がり角から、鈴木達が楽しそうに話しながら姿を表した。

 そして俺の状況を見て皆ぎょっとする。

「なんだガキ共、見てんじゃねぇよ!!」

 男が鈴木達に怒鳴り付けた。

 頼む!助けてくれ……!

 俺は縋るような目で鈴木達を見つめた。

 しかし、鈴木達は何事かをひそひそと話すと、俺がいるほうには曲がらず、そのまま真っ直ぐ歩いていってしまった。

 皆一様に足早に歩き、誰一人として振り返ることはなかった。

 な…嘘、だろ……。

「ははっ、どうやらお前は見捨てられたみたいだな」

 男が愉快そうに笑った。