僕の忠犬ハチ公




***


 それから数週間後の夜、俺は一人でゲームセンターに来ていた。

 場所なんてどこでもよかった。

 虚しくて寂しくてたまらなくて、心に空いたこの穴を埋めてくれる場所を求め、探していた。

 俺の父さんと母さんは優しくて、俺を愛してくれている。

 俺も父さんと母さんが好きだ。

 三人で食べる夕食はとても美味しい。

 だけどそれだけじゃ俺の心は満たされない。

 父さんと母さんが居て、美味しいご飯を用意して待っていてくれる暖かい家があっても、俺はまだ孤独なのだ。

 こんなこと思うのは親不孝だってわかってる。

 身勝手な我が儘だってわかってる。

 でも、もう耐えられない。

 心に空いた穴は、その僅かな理性すら自ら吸い込んでしまいそうなほど大きくなっている。

 すぐにでも俺の心は壊れてしまいそうだ。

 俺はフラフラとゲームセンターの中を歩きはじめる。

 と、その時

「ねぇねぇ、僕一人?」

 後ろから声をかけられ振り返ると、二十代前半ぐらいの女が立っていた。