僕の忠犬ハチ公




***

 教室に着くと俺はすぐに、集まって昼食を食べている鈴木達の元へと足をむけた。

「田村じゃん、どうした?」

 俺が姿を表すと、すぐに鈴木から声をかけられる。

「超自己中で悪いんだけどさ、俺またここで弁当食べてもいい?」

「あれ? 彼女はいいのかよ?」

「いや、俺彼女いないから」

「うっそ! あのおかっぱ頭の一組の女子彼女じゃねぇの?!」

 俺の発言に鈴木以外の三上と近藤も驚いてざわついている。

「あぁ、実はあいつとは家が隣でさ、うちの親とあいつの親が超仲良くて。
で、あいつなんかクラスではぶられてるらしいじゃん。
そしたらあいつの親が俺の母さんに、俺が面倒みるようにしてくれって頼んできたらしくてさ。
そんで、俺は母さんに言われたから渋々弁当食べてやってたってわけ」

 もちろんこれは俺の作り話だ。

 俺の親と小梅の親は、会ったらよく立ち話をしているのを見かけるし、確かに仲はいいが、子供――俺と小梅――への干渉はしない。

 だからそんな頼み事などしてくるわけがないのだ。