短編■ fashion


「それと同じ柄なんですけど、こっちデザインが微妙に違うんですよー」

「1番人気で在庫限りなんですよー」

「モデルのナントカカントカちゃんとコラボしてるんですよー」


お客さんが何かを手にとって数秒してから、

このくらいの決まり文句が妥当、マニュアルをなぞり近付いていく。

敬語敬語せずに、フランクな感じ。友達感覚を織り交ぜて。ですますくらいが調度良いんだって。


後はお客さんの反応から、人見知りタイプなら「またお声かけて下さいねー」と去るか、

少し感想を述べるタイプの方には、似たような商品を見せたり。

会話が弾むタイプには、「えー、その髪可愛いですねー」と容姿を褒めたり、

「そのパンプスどこのですー?可愛いー」とセンスを褒めたり、

「今日は他にどこか行かれるんですかー?」と少し一歩入った話題を振ったり。


このフレンドリーらしさは忘れないが、度も弁えつつ、が難しい。

私はよく1人でじっくり選びたい人に付き纏ってしまったり。なかなか見極めが難しい。


けれどもマニュアルから逸れすぎると、

たまに覆面視察みたいに潜入してる本部の人に注意される。

だからどのショップも、あんまり違うことが言えない感じ。かな。多分。