本当に、偶然だった。 信号もない小さな交差点でふと視線を横にずらすと、そこに人影があった。 俺と同い年くらいの女の子。 少し距離があったけど、両目ともに視力が2.0の俺でなくてもわかる、目を奪われるような美少女だった。 ほっそりと引き締まった身体を包む白いワンピース。 その姿は、陽炎にゆらめいた天使のようだった。 歩くことも忘れて見入ってしまったのは、その美しい外見のせいではない。 その美少女の、氷のように冷めた瞳となにかを諦めたような表情。 それが俺の心を突き刺したからだ。