「…それまでいくつの痛みに耐えればいいの?」
翻訳を呟いたところで何度目かのため息を小さくついた。
英語の先生には英語は英語のまま訳せと言われるけれども、いまいち感覚が掴めない。
そうは言ってみてもやるしかないのであって再びテープを巻き戻し再生ボタンをかちりと押した。
同様な音声反復は睡眠効果があるらしい。
睡魔がいやらしげに私の意識に、手招きをしているのを感じた。
「少し…寝ようかな…」
そう呟き私は顔をうつ伏せた。
まるでそんな私を現実に引き止めるかのように音楽は鳴り続けたが、睡魔には勝てず少しずつ意識はフェードアウトして言った。