「…あとでで、いいかな…?他の人に聞かれたら恥ずかしいし」
「そうだよな。分かった」
すんなりと納得してくれた。
それからそれぞれパスタが出された。
一口、食べてみると美味しかった。
あんまりギトギトしてないけれど、とってもクリーミーで優しい味。
たらこパスタはこのお店ぢゃないと食べられない。
おいしいパスタに自然と顔がほころぶ。
「美結ちゃん、すっごく美味しそうにたべるな」
「うん♪おいしい」
「確かにおいしいな」
パスタを食べていくうちにどんどん普通に話せるまでになった。
「そういえばさ、俺のこと名前で呼んでよ」
「…名前?なんてゆうの?」
「俺の名前知らないんなんてショック」
少し苦笑いしながら『悠二(ゆうじ)』と教えてくれた。
「ぢゃあこれからは悠二って呼ぶ」
「ありがと」
悠二は嬉しそうに笑った。
あたしたちは『モナリザ』を出た。

