「………」
橋本はずっと目の前の水が入ったコップを見つめたまま黙っていた。
こーゆう沈黙、嫌い…。
なんかとっても息苦しい。
ふぅ、と小さく橋本に聞こえないように、ため息をついた。
あたしは作り笑いを再び作り直して、橋本に向かった。
「…ねぇ、橋本く…」
「この前の返事」
橋本はあたしの声を被せるように話し出した。
「……え?」
この前の返事って……告白のこと、だよね。
「……この前の返事、聞かせて欲しい」
え…。ここで?
たぶん、おばさんにも聞こえると思うし、多くはないけど他にもお客がいる。
ここで言うのは……、ちょっと…。
「……美結ちゃん?」
黙り込んだ、あたしに心配そうな顔を向けた橋本。
この店で返事は嫌だ。

