マイ★ボーイフレンド

慌てて寝室から
出てきた母さんは、

「あら、由衣ちゃん
おかえり。」

と、取り繕った高い声で
顔を赤く上気させていた。

急いだせいで
だらしなく、少し開いた
ドアの向こうには
靴の持ち主が、
慌ててワイシャツのボタンを
掛けていた。

あたしは、母さんの
顔を見上げた。

やけに香水の匂いが
鼻につく。

急いで玄関のドアを
あけると、そのまま
外に飛び出した。