美しい雨―キミの笑顔を見せて―




電車の扉が開き、出入口付近に立っていた俺は、後ろから押されるように降りた。



「はぁ……」



降りたと同時に大きな溜め息が出た。


死ぬかと思った……。


やっぱり通勤ラッシュの激混みの電車は好きになれない。


渋滞にはまっても車通勤の方が楽。


よく皆、毎日毎日、電車で通勤や通学するよなぁ……。


俺は外の新鮮な空気を吸った。


途中、うちの学校の生徒に声をかけられながら改札に向かう。


“朝から元気だな”“若いっていいなぁ”なんて思いながら走っていく生徒たちの背中を見ていた。


改札を抜け、外に出ても人の多さは相変わらずだ。


ここから学校まで歩いて15分ほどかかる。


腕時計に目をやり、まだ時間に余裕があることがわかる。


一服でもするか……。


駅の外に設置されている喫煙コーナーに行った。