部屋を出て、隣の寝室のドアの前に立つ。
ドアノブに手を置き、深呼吸をする。
つい最近まで自分が使っていた寝室なのに、なぜか緊張している自分がいて、ドアノブを持つ手が汗で湿っていく。
美雨を起こさないように、ゆっくりドアノブを回して部屋を開ける。
真っ暗な寝室。
前まで男臭かったのに、今はシャンプーのいい匂いがする。
使う人によって、こんなにも部屋の匂いは変わるもんなのか?
そんなことを思いながらベッドに近づいていく。
“ドキドキ――”
さっきよりも胸が激しく高鳴る。
ただ、枕元にプレゼントを置くだけなのに……。
ベッドに近づくにつれて、美雨の規則正しい息遣いが聞こえてくる。
閉められたカーテンの隙間から月明かりが差し込み、寝ている美雨の顔を照らしていた。
“ドクンッ――”
月明かりに照らされた美雨の寝顔。
あまりにも美しくて、俺の胸は痛いくらい高鳴った。
胸が張り裂けそうなくらいドキドキが止まらない。
このまま、ここにいたら死んでしまうかもしれない。
俺は、ベッドの空いてるスペースにプレゼントをそっと置き、寝室を後にした。