美しい雨―キミの笑顔を見せて―




結局、美雨はプレゼントを受け取らなかった。


あれから風呂に入り、そのまま寝室へ行ってしまった美雨。


俺は1人寂しくビールを飲んでいた。


テーブルに置かれたままのプレゼント。


BGMはボリュームを最小限にしたテレビ。


テレビの中の芸人やアイドルが楽しそうにしているのを冷めた目で見ていた。


クリスマスだからって、いい大人がはしゃいでんじゃねぇよ。


テレビの中の人間は仕事をしているんだから、そんなことを思ったって仕方がないことくらいわかってる。


そう思った後に出るのは溜め息だけ。


何で美雨はプレゼントを受け取ってくれなかったんだろう……。


虚しい気持ちが込み上げてくる。


枕元にプレゼントを置けば良かったのか……。


そう思った俺は、この部屋と隣の部屋を隔てている襖に目をやった。


枕元にプレゼントを置こうか……。


そんな思いが頭を過ぎった。


美雨が来るまで自分が使ってた寝室。


なのに今は、隣の部屋には入らないようにしていたけど、プレゼントを置くだけなら……。


俺は残りのビールを飲み干し、プレゼントを手に取ると立ち上がった。