美しい雨―キミの笑顔を見せて―




晩ご飯が終わり、後片付けをした後、俺はダイニングテーブルの椅子に置いていたプレゼントを持って部屋に入った。



「美雨?今日は何の日か知ってる?」



俺はそう言って、いつもの定位置に座った。


美雨は俺の方を見るだけで、首を横にも縦にも振らない。



「今日は12月24日、クリスマスイブ。だから、これ……」



俺は後ろ手に持っていたプレゼントを出した。



「美雨にクリスマスプレゼント」



そう言って、美雨の前にプレゼントを置いた。


美雨はプレゼントをジッと見つめたままで取ろうとしない。


遠慮してるのか?



「美雨?」



俺が名前を呼ぶと、美雨は首を左右に振った。



「遠慮、してる?」



俺の問いかけにも何も答えない。



「遠慮しなくていいんだよ?」



やっぱり美雨はプレゼントをジッと見つめたままで……。



「たいしたもんじゃないんだ。でも美雨にクリスマスプレゼントを贈りたいと思って……。だから受け取って欲しい……」



これじゃあ、まるで告ってるみたいじゃねぇか。


美雨を見つめる俺。


プレゼントを見つめる美雨。


“ドキンドキン――”


俺の胸は煩いくらい鳴り続けていた。