美しい雨―キミの笑顔を見せて―





「あ、プレゼント……」



駅前の大通りに並ぶショップ。


ジュエリーショップや雑貨屋に服屋……。


そこから出て来る人、ほとんどが手にプレゼントを持っていた。


それを見て、思わず“プレゼント”という言葉が口から飛び出した。


もしかしたら受け取ってもらえないかもしれない。


それでもいい。


美雨に何かプレゼントしたい。


でも、美雨の年齢も好きなものもわからない。


こればっかりは優香に聞くわけいかない。


美雨は何が好きなんだろう……。


そんなこと考えていると、信号は赤に変わり、車をゆっくり停車させた。


信号待ちで、ふと横を向いた時、テディベアのお店が目に入った。


ショーウインドーに飾られた可愛いテディベア。


ヌイグルミかぁ……。


女の子って、ヌイグルミ好きだよなぁ……。


ちょっと寄ってみるか。


しばらくして信号が青に変わり、直進するはずだった車を左折させ、ショップの近くにあったコインパーキングに車を入れた。