「私もね、今日は独りぼっちなの……。パパとママはホテルで関連会社や取引先の人とクリスマスパーティーだって。一緒に行こうって言われたけど、面倒だから断っちゃった」
「へぇ……」
そんな話を俺にされても……。
「だからさぁ、せんせぇ?」
佐原は椅子を俺に近づけ、書類に目を落としている俺の顔を下から覗き込むように甘える声でそう言った。
「私とクリスマスの夜を一緒に過ごして?」
「はぁ?」
俺はそう声を上げ、佐原の方を見た。
すぐ目の前に佐原の顔があって……。
「うそ。先生の驚いた顔、可愛い」
佐原はそう言ってクスクス笑うと、俺から少し離れた。
何、考えてんだよ。
大人をからかうんじゃねぇよ……



