美しい雨―キミの笑顔を見せて―





「私は、何も気にしてないよ?美雨ちゃんが、少しでも食べてくれたことが嬉しかったし」


「優香の言う通りだ。雅斗、気にするな」



優香も裕介もそう言って笑ってくれた。



「でも肉も野菜も半分くらい残っちゃったな。せっかく買って来てくれたのに……」



うちの冷蔵庫の中は久しぶりに肉や野菜や飲み物が充実していた。


久しぶりにパンパンに詰まった冷蔵庫を見て、普段、いかに俺が何もしないことがわかるようだった。



「それも気にしないで?

普段、2人分しか買わないのに、今日は4人分でしょ?

どれだけ買っていいのかわからなかったのよ。

冷蔵庫に入ってる残りの材料で、また美雨ちゃんに美味しいものを作って食べさせてあげて?」


「なぁ、優香?雅斗が料理出来ると思うか?」



裕介はクスクス笑いながらそう言って、コーヒーを一口飲んだ。