そんな中、美雨だけは全く箸をつけようとせず、相変わらず青い炎を見つめてるだけで……。
「美雨?」
俺は持っていた箸を取り皿の上に置いて、美雨の名前を呼んだ。
「美雨?食べないのか?」
俺の問い掛けに、首を縦にも横にも振らず、じっとしているだけで……。
「美雨ちゃん、もしかしてキムチ鍋、嫌いだった?」
優香も箸を止めて、美雨にそう聞いた。
優香の問い掛けにも反応しない美雨。
「美雨?昨日から何も食べてないだろ?」
美雨は、どうして何も食べようとしないのか……。
このままだと栄養失調になってしまう。
栄養失調で死に至ることもある。
「食べれるだけでいいから食べよう?」
さっきまで青い炎を見つめていた美雨は少し俯いていて、俺は美雨の顔を覗き込むようにしてそう言った。



