美しい雨―キミの笑顔を見せて―




晩ご飯は優香お手製のキムチ鍋。


部屋のテーブルの上に置かれたカセットコンロ。


その上に乗ったキムチ鍋。


赤く染まった材料が、土鍋の中でグツグツ音をたてて煮えている。


食欲をそそる匂いが狭い部屋の中を充満している。


その回りを囲むように座った俺達。


鍋の他にビールや酎ハイ、お茶やジュースが置かれている。


友達が集まって鍋パーティーのようなワイワイと賑やかな俺達に対して、美雨は静かに無表情のままカセットコンロの青い炎を見つめていた。


それぞれの取り皿に優香が取り分けていく。



「美雨ちゃん、たくさん食べてね」



優香がそう言って、美雨の前に取り皿を置いた。


それから俺、裕介の順番に取り分け、最後に優香が自分の分を取り分けた。