美しい雨―キミの笑顔を見せて―




テキパキとキッチンを動き回る優香。


それに対して、俺と裕介は何をしていいのかわからず、ただ、ボーと突っ立っていた。



「ちょっと!2人とも何、ボーとしてんの?少しは手伝いなさいよね!」



そう怒る優香の体も手も止まることなく動いている。



「何すればいい?」



裕介が優しくそう言う。


さすが、優香の旦那だけあって、どういう言い方すればいいのかわかってるな。


俺なら絶対に優香とケンカになってるよ。


やっぱり俺は優香と別れて、友達に戻って良かったのかもしれない。


それに優香の旦那が裕介で良かったのかもしれない。



「ちょっと!雅斗!」


「何だよ」


「アンタも動きなさいよ」



優香の隣には、いつの間にか裕介が立っていて、材料を切っていた。



「何したらいいんだよ」


「カセットコンロを用意したり、お皿やお箸やコップを用意して」


「あぁ、わかった」



俺は優香に言われたように、食器棚の上にあるカセットコンロを取り、ダイニングテーブルに置いた。


それから取り皿と箸とコップも人数分、出してダイニングテーブルに置いた。