「さてっ!ご飯、作るから手伝って?あ、キッチン借りるね」



優香は、さっきまでの重苦しい空気を変えるかのように笑顔でそう言うと椅子から立ち上がった。


テーブルの下に置いてあった紙袋から持参したエプロンを取り出し、それを着ける。


俺と裕介も椅子から立ち上がった。



「今日は寒かったから鍋にしようと思って……」



キッチンの前に立った優香は、スーパーの袋から材料を取り出しながらそう言った。



「おっ!いいねぇ!」



1人暮らしが長い俺は、1人で鍋なんてすることがなく……。


てか、料理は全くと言っていいほどやらないから久しぶりに、まともな料理が食べれる事が嬉しかった。


しかも鍋。


鍋とビール。


最高の組み合わせじゃん。