「本気、なの?」



優香がそう聞いてきた。



「雅斗?本気なのか?」



裕介まで俺にそう聞いてきた。



「あぁ、本気だ……」


「なぁ、雅斗。お前、よく考えろよ?俺、さっき言ったよな?」


「わかってるよ。裕介の言ったことの意味はちゃんとわかってる」


「だったら何で……」


「…………だよ」



一点を見つめ、小さな声で吐き捨てるように言った。



「何?聞こえなかったけど……」



でも俺の言ったことが裕介や優香には聞こえなかったのか、優香はそう言ってきた。



「美雨とは昨日、出会ったばかりで、本名も年齢も家族構成も何も知らない。

あの雨が降る寒空の下にいた理由もわからない。

親に虐待されて逃げ出して来たのか、親に捨てられたのか、ただの家出少女なのか、何もわからない。

でも俺は、本気で美雨を守ってやりたいんだよ。

それは同情なんかじゃなくて、俺は美雨が好きなんだよ……愛してんだよ……。

だから社会的地位を失っても、一生を棒に振っても美雨のためなら構わない」



裕介も優香も目を見開いて俺を見ていた。


2人に呆れられてもバカにされてもいい。


笑われたって構わない。


俺はそれだけ本気だった。