美しい雨―キミの笑顔を見せて―





「雅斗……」



優香が憐れむ目をして俺の名前を言った。



「本当は警察に行った方がいいってわかってる。美雨に出会った時に俺もそうしようとした。でも美雨は携帯を持つ俺の手を掴んで必死に首を左右に振ってたんだ……だから……」


「でもな、雅斗……。雅斗のやってることは、言い方が悪いけど誘拐、監禁と同じなんだ……。雅斗も自分でわかってるだろ?」


「わかってる……」


「だったら何で……。もし雅斗と美雨ちゃんの関係がバレてみろ。お前は社会的地位を失って、一生を棒に振ることになるんだぞ?そんな危険を犯してまで、どうして美雨ちゃんを……」


「裕介の言ってることは正論だと思う。でも俺は美雨と約束したんだよ……警察には言わないって……」



本当の理由はそれだけじゃない。


俺は美雨を……。


俺は裕介や優香と話すうちに自分の気持ちに気付いてしまったんだ……。


本当の気持ちに――……。