美しい雨―キミの笑顔を見せて―





「確かに、裕介の言ったことは一理あるかもしれない……。親に虐待されてたとして、もし警察に保護されたら当然、警察から両親に連絡がいくだろうな……だから美雨は……」



もしそうなら俺はどうしたらいいんだ……。



「雅斗?まだそうだと決まったわけじゃないでしょ?裕介は例えばの話しで言っただけで……」



優香はそう言って俺を心配そうな目を向けた。



「わかってる……わかってるけど……」



100%そうだと決まったわけじゃい。


でも美雨と思うと……。


俺の心はチクチクと痛んでいた。



「なぁ、雅斗?こういう言い方するのは悪いかもしれないけど、美雨ちゃんは自分のことを一切何も話さない。感情を表さない。それは普通じゃないと思う」


「あぁ……」



裕介に言われなくてもわかってるよ……そんなこと……。



「やっぱり警察に行った方がいいんじゃないのか?美雨ちゃんが未成年なら児童相談所って手もあるけど、もし20歳過ぎてるかもしれないし……やっぱ警察に……」


「い、いやだ……」



俺は裕介の言葉を遮り“NO”の答えを出した。