美しい雨―キミの笑顔を見せて―




俺は裕介と優香に包み隠さず全て話した。


話し終わった後、しばらくの沈黙……。


その沈黙を破ったのは優香だった。



「そうなんだ……。でも、その子……えっと、美雨ちゃんだっけ?美雨ちゃんは何で自分のことを何も話さないんだろう……」


「それがわかれば苦労しねぇって……」


「無表情で自分の感情を表さない。自分のことは何も話さない。警察に保護されるのを拒否する……。何か理由がありそうだな……」


裕介がそう言った。


だから、それがわかれば苦労しねぇって。



「例えば……」



裕介は、しばらく考えるように一点を見つめた後、口を開いた。



「例えば?」


「親に虐待されてるとか……。親に捨てられたとか……。それだったら美雨ちゃんが自分のことを何も話さない理由になりそうだけど……」



そうなのか?


虐待……親に捨てられた……。


無表情で感情を表さないのはそのためなのか?


もしそうなら何で……。


親は子供に精一杯の愛情を注ぐのが当たり前じゃないのか?


でも、確かに……。