美しい雨―キミの笑顔を見せて―





「何、笑ってんのよ」



怒る優香に対して俺が笑ったのが気に入らないんだろう。


優香はそう言って、俺を軽く睨みつけた。



「そんなことより早く中に入れてくれ」



クスクスと笑いながらそう言ったのは優香の後ろに立っていた裕介だった。



「久しぶりだな」


「久しぶり」



元カノの結婚相手が俺の親友で、俺はその親友の奥さんの元彼で……。


普通なら親友とも元カノとも縁を切る仲になるんだろうけど、俺は優香が結婚した相手が裕介で良かったと本当にそう思っている。


俺は優香も裕介も大好きだ。


それは親友として。