少し体を離して、美雨の顔を見る。


美雨の目から大粒の涙が流れていた。



「美雨?」



俺が名前を呼ぶと、美雨は顔を上げて俺を見た。


目線が重なる。


“ドキン”


胸が高鳴った。



「美雨?」



俺は美雨の目をグッと見つめる。



「遅くなってゴメンな……」



美雨は首を左右に振った。


そのたびに、美雨の目に溜まった涙はポロポロとこぼれ落ち、頬を伝っていく。


そして、俺は……。


美雨の目を見つめ、ゆっくりとこう言ったんだ。



「美雨?迎えに来たよ……」