美しい雨―キミの笑顔を見せて―




美雨……美雨……。


俺は何度も美雨の名前を心の中で繰り返した。


会いたかったよ……。


キミに、ずっと会いたかったよ……。


“ドクン――ドクン――”


美雨に一歩、一歩、ゆっくり近づいて行く。


ふと美雨の手に目を落とした。


あ……これ……。


美雨の手に握られていたのは、俺がクリスマスにプレゼントしたテディベアのぬいぐるみ。


開封されることなく、ベッドの横に置かれたままだったテディベアだった。