美しい雨―キミの笑顔を見せて―




白を基調とした明るい部屋。



「ごゆっくりどうぞ」



彼女はそう言って部屋を出て行った。


“バタン”と閉まるドア。


こっちに背を向け、窓の傍にある椅子に座っている人……。



「美雨……」



そう呟くように彼女の名前を呼んだ。


“ビクン”と揺れる彼女の体。


椅子から立ち上がり、こちらにゆっくり振り向く……。


漆黒の長い髪、色白の肌、大きな瞳に真っ赤な唇。


コットンの真っ白なフワフワしたワンピースを着ていた彼女は、あの頃と全く変わってない。