美しい雨―キミの笑顔を見せて―




階段を上り2階へ行く。


“ドクン――ドクン――”


胸が高鳴る。


どの部屋にいるのかわからないけど、胸の高鳴りが激しくなっていく。


“ドクン――ドクン――”



「この部屋です」



案内されたのは廊下の突き当たりにある部屋。


白いドアの向こうに、ずっと会いたかった、あの子がいる。


激しく鳴り続ける胸を手で抑え、ふぅと小さく息を吐いた。


“コンコン”


彼女がドアをノックする。


返事はない。



「入るね」



そう言って、彼女はドアをゆっくり開けた。