美しい雨―キミの笑顔を見せて―




遠くから救急車のサイレンが聞こえる。


それからパトカーのサイレンも……。



「雅斗!救急車、来たから……。もう少しだから頑張って」



優香がそう言った。


救急隊員に何か言われたけど、上手く話せない……。


意識が飛びそうになる。


担架に乗せられ、運ばれていく。


裕介が傍にいて、優香は美雨の体を抱きしめている。


美雨……。


ねぇ、美雨……。


最後に……キミの……。