マンションの周りには遮るものが何もなく、ベランダからは花火が綺麗に見えた。 爆音を鳴らしながら花火が上がるたびに、マンションの他の部屋からも歓声が上がる。 「綺麗だね~」 「そうだな」 裕介と優香の会話を聞きながら、俺と美雨は黙って花火を見ていた。 いろんな華を咲かせては消えていく花火。 美雨の目には、どう映ったんだろう……。