「美雨ちゃん、可愛いでしょ?」
「……うん」
「やっぱ花火には浴衣でしょ?」
「……うん」
「うちのお母さんが色違いで浴衣を持ってたのをもらったから1枚は美雨ちゃんに着せてみたの。美雨ちゃん、色が白いから浴衣が良く似合うでしょ?」
「……あぁ」
俺の胸は“ドキドキ”と大きく鳴りっぱなしで、恥ずかしくて美雨を見ることが出来ない。
美雨が俺の隣に座って、優香は裕介の隣に座った。
裕介は優香に“綺麗”とか“よく似合ってる”とか言ってる。
優香はソファーから立ち上がると、キッチンの冷蔵庫からビールやジュースを持ってきた。
それと同時に窓の外から“バンバン”と爆音が聞こえてきた。
「花火、始まったみたいだね」
「そうだな。ベランダに出て見ようか?」
「うん」
裕介の言葉に、俺達はベランダに出て花火を見ることにした。