夕方、飲み物と果物を持って裕介の家に行った。



「いらっしゃい」



裕介と優香は笑顔で玄関まで出迎えてくれた。


買ってきたものを優香に渡して、リビングに入る。


リビングのテーブルの上には、沢山の料理が並んでいた。


リビングの大きな窓はカーテンが開けられ、夜景が一望出来る。


暑くもなく寒くもない、ちょうどいい室温。


裕介と優香の家に来たのは、いつ振りだろう……。



「美雨ちゃん?ちょっと、こっち来て?」



優香は美雨の手を握り、そう言って美雨を引っ張ってリビングを出た。


リビングには俺と裕介だけが残る。



「今日は飲むんだろ?」


「あぁ。そのつもり」



だから今日は美雨と電車で来た。


花火大会に行く人で溢れた車内。


窓から見える景色を無表情のままで見る美雨と隣にいる俺。


周りからは、どう見られていたんだろう……。