「美雨?」



部屋に入ると、部屋の中は暗く、美雨はベッドで寝ていた。


壁側に向いて寝ている美雨。


起きてるのか完全に寝ているのかわからなかった。


俺はベッドの縁まで行き、そこで膝を折った。



「美雨?今日、美雨がいた施設に行って来たよ」



俺の問い掛けに、美雨の体がビクンと微かに揺れた。


起きてると確信した俺は、そのまま話しを続けた。



「早乙女さんに会って来た。美雨のこと、いろいろ聞いたよ。お花が大好きで、小さい子のお世話も上手で、凄くいい子だったって早乙女、言ってた」



それから俺は早乙女さんと話して来たことを隠すことなく美雨の背中に語りかけるように話したんだ……。