美しい雨―キミの笑顔を見せて―





「うちで4人で見ない?」


「優香んちで?」


「うん。うち、マンションの最上階だから花火が綺麗に見えるの。皆で、うちで晩ご飯を食べながら見ようよ」


「それいいな!雅斗、土曜日に美雨ちゃんと、うちに来いよ」



そう言ってくれるのは嬉しいし、ありがたいと思う。


施設に帰る前に、美雨に思い出を作ってやりたいと思う心遣いということはわかってる。


でも……。



「裕介と優香の気持ちは嬉しいし、俺も皆で花火を見れたらいいと思うけど、美雨が外に出るかなぁ……」



美雨がここに来て1度も外に出したことないんだ。


素直に行くと頷いてくれるだろうか……。