美しい雨―キミの笑顔を見せて―





「そっか……」


「雅斗が学校を辞めても構わないと思うくらい人を好きになるなんてね」



優香はそう言ってクスッと笑った。


涙は乾いていて、裕介も優香もさっきより明るい顔になっていた。



「で、美雨ちゃんをいつ施設に連れて行くんだ?」


「来週の月曜日に連れて行くことにしたよ」



今日が水曜日。


美雨と一緒に居られる時間は、今日を入れて5日しかない。


少しでも美雨と一緒にいたいと思って、俺のワガママで来週の月曜日に連れて行くことにしてもらった。



「そうだっ!」



優香が何か思い出したように、声を上げた。



「ねぇ、今週の土曜日に花火大会があるでしょ?」


「そう言えば……」



優香に言われて思い出した。


それまで花火大会のことなんてスッカリ忘れていた。