美しい雨―キミの笑顔を見せて―




俺がそう言うと、裕介も優香も黙り込んだ。


佐原や早乙女さんに美雨の居場所を知られた以上、美雨をこのままここに置いとくわけにはいない……。



「早乙女さんが美雨の両親に話しをして施設で暮らせるように手続きをするって言ってた……」


「でも美雨ちゃんの両親は世間体を気にする人でしょ?施設に戻すことを簡単に認めるかしら?」


「それは俺も思ったけど、早乙女さんが必ず施設で暮らせるようにするって言ってくれたんだ。だから俺は早乙女さんを信じてる」



美雨は幸せになる権利がある。


施設に帰って笑顔を取り戻せるなら俺は美雨を早乙女さんの言う通りにしようと思ったんだ。